臨床精神医学第45巻第10号

ネットいじめ:展望と今後の課題

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  • 富田 拓郎(中央大学)
  • 発行日:2016年10月28日
  • 〈抄録〉
    ネットいじめは被害者のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすだけでなく,自殺リスクを高める可能性があり,国際的に大きな社会問題である。本論では主として子どもを中心に,ネットいじめの特徴を理解するための2つの視点を取り上げた。さらにネットいじめを誘発するリスク要因や抑制する保護要因,ネットいじめが及ぼす心理的な悪影響について,最新のメタ分析を中心に展望し,介入や予防教育についてのいくつかの試みを紹介した。さまざまな機関や個人が連携してネットいじめの実態を把握するための調査研究を行い,家族や学校環境,ネットを取り巻くさまざまな要因がネットいじめに与える影響を包括的に研究する必要性を述べた。加えて子ども全体を対象にネットいじめの予防的心理教育を行い,ピア・サポートを利用して相談しにくいネットいじめを支援につなげる工夫や,ネットいじめ加害者への緻密な対応が必要であることを指摘した。

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Cyberbullying: A literature review and clinical implication
富田 拓郎
中央大学文学部心理学専攻