臨床精神医学第45巻第12号

  • 特集/行動嗜癖とその近縁疾患─どこまで嗜癖と言えるのか─
  • 発行日:2016年12月28日
  • 〈企画趣旨〉
     物質使用障害を専門とする医療従事者の業界では,ギャンブル障害・インターネット使用障害を含む行動嗜癖も物質使用障害の枠組みで捉えられてきた。ギャンブル障害はDSM-5において物質使用障害と同じ項目に分類されるようになり,インターネット使用障害の中でも特にオンラインゲームを対象とするものは物質使用障害との共通点を指摘するエビデンスが蓄積し,ギャンブル障害が分類されたのと同じコースを辿ることが検討されている。窃盗癖,買い物嗜癖,性嗜癖,摂食障害なども行動嗜癖と呼ばれるが,ギャンブル障害やインターネット使用障害と比較するとエビデンスも少なく,物質使用障害と同じカテゴリーに含めることの是非については議論も多い。そこで今回はそれぞれの疾患に造詣の深い専門家にお願いし,あらためて嗜癖概念との異同,実際の臨床などについて執筆していただいた。いずれも示唆に富んでおり,読者諸兄にとって大いに参考になることと思う。

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〈目次〉
モデルで考えるギャンブル障害 (国立病院機構久里浜医療センター)河本 泰信
インターネット使用障害とは (国立病院機構久里浜医療センター)中山 秀紀
行為嗜癖の神経基盤 (京都大学)鶴身 孝介
英国国立ギャンブルクリニックでの取り組み (岡山県精神科医療センター)橋本 望
嗜癖としてのギャンブル障害─治療経験から─ (北海道立精神保健福祉センター)田辺 等
大阪における依存症治療拠点機関設置運営事業の展開と現在までの取組 (大阪府立精神医療センター)倉橋 桃子
民間施設における当事者主体のギャンブル障害回復支援 (セレニティパークジャパン)三宅 隆之
ギャンブル障害(依存症)からの回復─自助グループから見えてくるもの─ (大谷大学)滝口 直子
大学病院におけるインターネット使用障害外来の試み (大阪市立大学)片上 素久
嗜癖の観点からみた摂食障害 (京都大学)野間 俊一
窃盗癖と他の嗜癖性疾患との比較 (赤城高原ホスピタル)竹村 道夫
和歌山刑務所における窃盗癖の実際と摂食障害 (京都大学)梁瀬 まや・他
性嗜癖と他の嗜癖性疾患との比較 (大石クリニック)大石 雅之・他
シリーズ/日本の精神医学を築いた人々〔第6部〕
佐藤壹三評伝 (千葉病院)小松 尚也
書評
うつ病の臨床:現代の病理と最新の治療〔神庭重信 編集〕 (東京医科大学)井上 猛
研究報告
遠隔で行った強迫症に対する曝露反応妨害法─3症例のケースシリーズ─ (慶應義塾大学)岸本泰士郎・他