臨床精神医学第45巻第12号
窃盗癖と他の嗜癖性疾患との比較
電子書籍のみ

- 竹村 道夫(赤城高原ホスピタル)
- 発行日:2016年12月28日
- 〈抄録〉
窃盗癖は,精神医学的には行動嗜癖の1つとみなされる。嗜癖対象が犯罪行為そのものであるので,医療と司法が交差する領域に存在する問題であり,この特殊事情から,窃盗癖の研究と診療における多くの困難が生じる。このため,窃盗癖治療は,精神医学の中で最も遅れた分野であり,精神障害としての常習窃盗である窃盗症(クレプトマニア)の輪郭は,現在でも不明瞭で,診断基準には混乱がみられる。窃盗症有病率の認識には,近年,大きな変化があり,従来の認識より,多い精神障害と考えられるようになった。病態的には,放火症ではなくギャンブル障害に近い。臨床上遭遇することが多い摂食障害合併群は,窃盗症の中核群と考えられる。窃盗癖の臨床では,行動嗜癖治療の応用が有効であり,治療効果や回復率は他の嗜癖問題と同等である。
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Comparison of kleptomania and other addictive disorders
竹村 道夫
赤城高原ホスピタル