臨床精神医学第54巻第5号
日本で暮らすブラジル人のメンタルヘルス─複合的問題への対応における連携と対話の視点─
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- 大塚 公一郎(自治医科大学)
- 発行日:2025年05月28日
- 〈抄録〉
出稼ぎ労働者として来日した日系ブラジル人とその家族の定住化や滞在の長期化が進んでいるが,労働条件の厳しさ,不安定な雇用,職場でのハラスメントに加え,日本社会との文化的摩擦も問題となっている。特に,家族間の問題や子どもの教育,アイデンティティの葛藤などが要因となり,適応障害やうつ病などの精神疾患を引き起こすことがある。筆者の精神科診療では,ブラジル人患者が多く受診しており,彼らの問題は個々の精神疾患にとどまらず,家族や社会との関係など多層的な要因が絡み合っており,複合的問題と考えられた。そのため,医療だけでなく福祉,教育,行政,外国人支援団体など多職種との連携が重要であり,患者自身と家族のレジリエンスを引き出す支援が求められる。治療の場では,患者との対話におけるトランスコンテクストなプロセスが重要であると指摘した。
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Mental health of Brazilians living in Japan: perspectives on collaboration and dialogue in addressing complex issues
大塚 公一郎
自治医科大学看護学部