臨床精神医学第54巻第5号
書籍・雑誌販売のみ
- 特集/多文化共生時代のメンタルヘルス
- 発行日:2025年05月28日
- <企画趣旨>
外国人の住民が多い一部の地域だけでなく,今では全国の地方自治体でも,多文化共生という政策が当たり前のように実施されている。また,新型コロナウィルス感染症のパンデミックで,一時,国際的な人の流れが停滞していたが,今では、訪日外国人も,コロナ禍の水準を上回った。ポストコロナの多文化共生時代にメンタルヘルスの諸問題も質も量も以前から変化し,一般の精神科医が遭遇する多文化共生に関連するメンタルヘルスの課題も,多岐かつ多様になっている。当然,精神科医だけで解決できる問題ではないことの方が多く,行政や地域でも新たな取り組みがなされている。そこで,各フィールドで精力的に取り組んでるエキスパートから,現状の取り組みと今後の課題を概説していただく。
詳細
<目次>
日本における外国人のメンタルヘルス 総論 (四谷ゆいクリニック)阿部 裕
多文化就労場面における外国人労働者の異文化間葛藤とメンタルヘルス (お茶の水女子大学)加賀美 常美代
外国人留学生のメンタルヘルス (京都大学)大橋 敏子
日本に暮らす難民らの心の病いを知る (大正大学)鵜川 晃
精神科救急と外国人─実態調査と臨床経験からの課題整理─ (千葉県総合救急災害医療センター)花岡 晋平・他
精神科医・精神医療従事者と大使館・領事館スタッフとの連携 (六番町メンタルクリニック)秋山 剛
複数ルーツの人々のメンタルヘルスと差別体験─全国アンケート調査から探る現状と課題─ (トロント大学)市川 ヴィヴェカ・他
在日コリアンに対する多文化精神科治療の一考察 (泉保養院)李 創鎬
日本で暮らすブラジル人のメンタルヘルス─複合的問題への対応における連携と対話の視点─ (自治医科大学)大塚 公一郎
私の経験 (東京大学)江 志遠
新型コロナウイルス感染症流行下における在留ベトナム人の苦悩 (京都大学)山下 正・他
海外で活躍する精神科医─ 28年間のカンボジアでの国際精神保健支援─ (途上国の精神保健を支えるネットワーク)青木 勉・他
研究報告
東京都アウトリーチ支援事業における対象者への効果 白井 有美・他