臨床精神医学第54巻第5号

複数ルーツの人々のメンタルヘルスと差別体験─全国アンケート調査から探る現状と課題─

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  • 市川 ヴィヴェカ・他(トロント大学)
  • 発行日:2025年05月28日
  • 〈抄録〉
    本研究は,日本における「複数ルーツの人々」のメンタルヘルスと差別経験の関連を明らかにするため,2024 年3 ~ 4月にかけて全国オンラインアンケート調査を実施した。調査には18歳以上の448名が参加し,マイクロアグレッションの頻度やメンタルヘルス指標(K6尺度)との関連を分析した。その結果,98%がマイクロアグレッションを経験し,68%が1か月に1回以上受けていることが判明した。また,抑うつ・不安障害に相当するK6スコア10点以上の割合は47%に達し,全国調査の約5倍であった。自由記述では,差別経験がアイデンティティの混乱や社会的孤立,メンタルヘルス不調につながることが示された。本稿は,日本における複数ルーツの人々が直面する社会的課題を可視化し,政治・教育・福祉分野に加え,精神医療機関従事者の意識向上と対応の重要性を提起することを目的とする。

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Mental health and experiences of discrimination among people with mixed race and multiple ethnicities in Japan: exploring the current situation and challenges through a nationwide survey
市川 ヴィヴェカ*1 下地 ローレンス吉孝*2
*1トロント大学
*2立命館大学衣笠総合研究機構