臨床精神医学第53巻第2号

認知症の早期診断における臭覚識別テスト(ニンテスト)有用性の検討

電子書籍のみ

  • 河本 紀一・他(因島総合病院)
  • 発行日:2024年02月28日
  • 近年,臭覚機能評価が認知症の早期診断に有用な指標として注目されている。今回,臭覚機能評価を簡易でかつ短時間で実施できる新たな臭覚識別テスト(以下ニンテスト)を用いて,認知症の早期診断への可能性や良性健忘や軽度認知障害(MCI)との鑑別の有用性について検討を行った。良性健忘,MCI,認知症の3群間で,ニンテスト,MoCA-J,VSRAD,頸動脈硬化の4項目検査での多重比較を実施した。ニンテストスコアは,認知症群が良性健忘群との比較ではP<0.001で有意差が認められたが,MCI群との比較では有意な差はみられなかった(P=0.101)。認知症と良性健忘/MCI群間におけるAUCは,ニンテスト0.974,MoCA-J 0.957と,ともに高値であり,両検査ともに認知症診断への高い診断精度を有していた(VSRADと頸動脈硬化のAUCは,各々0.210,0.489)。ニンテストとMoCA-Jを組み合わせた解析(多項ロジスティック回帰モデル)では,良性健忘,MCI,認知症を100%の精度で診断可能であった。ニンテストが認知機能評価のスクリーニング検査として,MoCA-Jと同等の評価機能を有することが示唆された。

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

Usefulness of odor discrimination test (nin-test) for early diagnosis of dementia
河本 紀一*1 箱崎 幸也*1 河本 順子*1 秦 信輔*2
*1日立造船健康保険組合因島総合病院内科
*2医療法人社団秦医院