臨床精神医学第53巻第2号
てんかん医療施設における精神科の意義─てんかん支援拠点病院と包括的てんかん専門医療施設─
電子書籍のみ
- 原 広一郎・他(医療法人静和会浅井病院)
- 発行日:2024年02月28日
- てんかんの治療体制や知識・情報の啓発は国内外でいまだ不十分である。これを背景に世界保健機関は2022年に「領域横断的なてんかんと神経疾患の世界的行動指針案(IGAP)」を採択した。本邦では厚生労働省が2018年よりてんかん医療の均てん化を目的に「てんかん支援拠点病院」を各都道府県に1 か所ずつ指定する事業を開始し,日本てんかん学会は2021年から先進的なてんかん対策を担う施設を「包括的てんかん専門医療施設」として認定している。てんかんの包括医療で精神科医に求められる仕事は,精神疾患・知的障害・発達障害などの併存症,就学・就労や社会生活上の諸問題への対応,小児科からの移行期医療,さらに心因性非てんかん性発作や発作周辺期・発作間欠期精神病,てんかん外科に関連する諸問題など多岐にわたる。千葉県の例を示してんかん専門医療施設および提携施設における精神科的対応の重要性について論じた。
詳細
The significance of psychiatry in comprehensive epilepsy center
原 広一郎*1 原 恵子*2,3 青柳 京子*4 岩佐 博人*5,6
*1医療法人静和会浅井病院精神科
*2原クリニック
*3東京医科歯科大学病院てんかんセンター
*4千葉県循環器病センターてんかんセンター・脳神経外科
*5千葉県循環器病センターてんかんセンター・精神科
*6きさらづてんかんセンター