臨床精神医学第53巻第2号
医学教育カリキュラムにおけるてんかんの位置づけ
電子書籍のみ
- 松坂 雄亮（長崎県精神医療センター）
- 発行日：2024年02月28日
- 種々の医学教育カリキュラムにおいて，てんかんという疾患が教育内容としてどのような位置づけになっているかを概観した。卒前医学教育および卒後臨床研修においては，てんかんが複数の分野にまたがっているという学問特性，てんかんの病態生理や治療内容などに他の分野と共通するものが少ないこと，臨床推論や初期対応などプライマリ・ケア能力の向上に重点を置いた教育方略などさまざまな要因により，医学生や研修医がてんかんを身近に感じにくくなっている可能性が考えられた。一方で精神科専門医制度においては，経験症例のカテゴリーにてんかんが新たに加わり，症例報告の対象となるなど，てんかん診療に携わることの重要性が時を経るごとに増している傾向がみてとれた。医学教育カリキュラムは社会のニーズに応えるよう策定し，時期ごとのニーズに合わせて改訂を加えていくことが理想であり，当然てんかんに関連した内容も含まれる。
詳細
Characteristics of epilepsy in medical education curriculum
松坂 雄亮
長崎県精神医療センター