臨床精神医学第52巻第11号
ブレクスピプラゾール単剤で治療した統合失調症外来患者における改善症状と社会参加率
電子書籍のみ
- 渡部 和成(田宮病院)
- 発行日:2023年11月28日
- 〈抄録〉
前薬から切り替え後ブレクスピプラゾール(BRX)単剤で3年治療した統合失調症外来患者26人(平均41.1歳)を対象とした。単剤治療開始後1か月時のCGI-Iと主観的改善症状の数と内容を指標として病状変化を調べた。CGI-Iの評価値は平均1.7と,切り替え後病状がよくなったことを示し,患者1人当たりの主観的改善症状数は平均1.6で,46.2%の12人が複数の改善症状をあげた。陽性症状と陰性症状が延べ各13人,副作用5人,不安・抑うつ症状4人,認知機能障害と睡眠障害が各3人であった。3年経過時,社会参加患者は一般就労4人,障害者枠就労3人,主婦4人,就学2人の13人で社会参加率は50.0%と開始時の19.2%と比べ有意に高かった(P=0.04)。以上から,BRXは,服用後早期から発現する多様な症状改善や長期継続による社会参加の向上を期待できる可能性があるといえるかもしれない。
詳細
Improved symptoms and social participation rate in schizophrenia outpatients treated with brexpiprazole monotherapy
渡部 和成
田宮病院