臨床精神医学第52巻第2号

統合失調症前駆期の陰性症状と関連した抑うつ状態への治療選択

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  • 吉川 茜・他(順天堂大学)
  • 発行日:2023年02月28日
  • 〈抄録〉
    抑うつ状態は,統合失調症の前駆期症状として最も初期段階に現れる症状の一つであり,一次性陰性症状と深く関連する。しかし,この抑うつ状態はうつ病や双極性障害のものなのか,統合失調症の前駆期に進行する陰性症状と関連した抑うつ状態なのかを見分ける客観的診断指標は確立しておらず,臨床場面で治療選択に悩む場合がある。抗精神病薬使用の根拠には,減弱性陽性症状の存在が背景にあり,前駆期の抑うつ状態への使用には,確立したエビデンスはない。本稿では,「統合失調症前駆期の陰性症状と関連した抑うつ状態への治療選択」をクリニカルクエスチョンとし症例提示を行い,近年の知見をまとめた。サンプルサイズの限界もあり,いまだエビデンスの高い知見は得られていなかったが,NMDA受容体修飾薬,抗精神病薬,抗うつ薬が有効な可能性が示唆された。今後,臨床的ハイリスク群の一次性陰性症状を標的とした,より大規模な症例数での検証が望まれる。

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Treatment for depression associated with primary negative symptom in the prodromal phase of schizophrenia
吉川 茜 加藤 忠史
順天堂大学医学部精神医学教室
英文 著者 所属