肝胆膵第84巻第1号
人工知能を用いた腹腔鏡下尾側膵切除術における自動工程認識システムの開発
電子書籍のみ
- 佐々木 公將,他(国立がん研究センター東病院)
- 発行日:2022年01月28日
- 〈要旨〉
近年,手術の効率化・自動化を目的とした,自動工程認識を応用したシステムの開発が進んでいる.今回,腹腔鏡下尾側膵切除術(LDP)における,AIによる自動工程認識システムの実現可能性について検討した.当院で施行したLDP動画40症例を用いて,同手術を全8工程に分類し,AIに学習させ畳み込みニューラルネットワークによるLDPの自動工程認識モデルを作製した.LDPの自動工程認識モデルの精度は,overall accuracy(全データの内正解したデータの割合)0.754であった.LDPにおけるAIによる自動工程認識システム実現には,症例数や手術施設の増加をはじめ,さまざまな改善が必要であるものの,実現の可能性があると考えられた.
詳細
Automated surgical workflow identification by artificial intelligence in laparoscopic distal pancreatectomy
佐々木 公將*1,2 竹下 修由*2 小林 信*1 田中 敦喜*2 松崎 博貴*2 北口 大地*2 長谷川 寛*2 後藤田 直人*1 伊藤 雅昭*2
*1国立がん研究センター東病院肝胆膵外科
*2同 手術機器開発室