肝胆膵第84巻第1号
イメージング計測AIを用いた肝癌腫瘍内M2 Tumor-Associated Macrophageの細胞形態解析
電子書籍のみ
- 平松 活志,他(福井大学)
- 発行日:2022年01月28日
- 〈要旨〉
近年の解析技術の発展により,がん微小環境に存在する免疫細胞は非常に多様性に富んでいることが明らかとなってきた.腫瘍関連マクロファージ(TAM)は,CD163陽性細胞である免疫抑制性のM2マクロファージをはじめとしたさまざまなフェノタイプの存在が知られている.われわれは,蛍光多重免疫組織化学染色とイメージング計測AIを用いて,肝細胞癌(HCC)の組織におけるCD163陽性細胞の細胞形態の違いを判別し,ほかの炎症細胞浸潤や患者予後との関連を検討した.その結果,HCCに浸潤するCD163陽性・円形マクロファージは,腫瘍内CD8陽性細胞数,無再発生存期間と有意に関連していた.イメージング計測AIを用いた新たな免疫細胞タイピング法がHCCの難解な腫瘍免疫病態の解明に寄与する可能性が示された.
詳細
Morphological analysis of M2 tumor-associated macrophage subsets in patients with hepatocellular carcinoma using machine learning algorithm
平松 活志 中本 安成
福井大学学術研究院医学系部門・内科学(2)分野