肝胆膵第83巻第5号
IgG4関連硬化性胆管炎に対する治療
電子書籍のみ
- 窪田 賢輔,他(横浜市立大学)
- 発行日:2021年11月28日
- 〈要旨〉
IgG4-SCは原発性硬化性胆管炎や肝門部領域胆管癌と鑑別を要し,AIPを90%以上に合併する.その標準治療はAIPと同様,ステロイド投与である.寛解率は90%以上であるが,再燃は20 ~ 40%である.2019年の本邦の診療ガイドラインでは再燃抑制のため,3年間程度の維持療法が推奨されている.胆道閉塞に関しては特に活動性の胆道炎症を呈する場合はドレナージが推奨されている.ステロイド治療抵抗例や繰り返す再燃例で,免疫調節薬,抗CD20抗体(リツキシマブ)の有用性が報告されている.IgG4-SCの予後は良好な可能性が高いが,最近,治療抵抗性(再燃を繰り返す,ステロイド減量で容易に再燃するなど)や膵胆道癌のリスクが指摘されている.
詳細
A standard treatment for the patients associated with IgG4-realted sclerosing cholangitis
窪田 賢輔 栗田 裕介 高木 由理
横浜市立大学医学部附属病院内視鏡センター・肝胆膵消化器病学