肝胆膵第83巻第5号
PSCとIgG4関連硬化性胆管炎の鑑別
電子書籍のみ
- 内藤 格，他（名古屋市立大学）
- 発行日：2021年11月28日
- 〈要旨〉
原発性硬化性胆管炎は胆管の線維性狭窄により慢性胆汁うっ滞から肝硬変に至る予後不良な炎症性疾患であり，肝移植のみが唯一の治療法である．一方，IgG4関連硬化性胆管炎は血中IgG4高値，病変局所のIgG4陽性形質細胞浸潤，ステロイドに対する良好な反応性などを特徴とする予後良好な硬化性胆管炎である．近年，本邦においても両疾患の診断基準が作成され，疾患概念も浸透してきている．両者の胆管像は類似するが，治療法，予後も異なるため適切な鑑別診断が重要である．両者の鑑別には血中IgG4値，内視鏡的逆行性胆管膵管造影，胆管管腔内超音波内視鏡，経口胆道鏡，胆管外病変としてのIgG4関連疾患や炎症性腸疾患の存在，肝生検が有用である．
詳細
Differential diagnosis between primary sclerosing cholangitis and IgG4-related sclerosing cholangitis
内藤 格 中沢 貴宏 林 香月 吉田 道弘 堀 寧 夏目 まこと 加藤 晃久 片岡 洋望
名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学