肝胆膵第83巻第2号
レンバチニブ投与後のコンバージョン肝切除
電子書籍のみ
- 多田 正晴，他（兵庫医科大学）
- 発行日：2021年08月28日
- 〈要旨〉
高度進行肝細胞癌に対し，複数の治療を組み合わせた集学的治療がより重要となる．近年はレンバチニブ，アテゾリズマブ＋ベバシズマブなどの効果的な薬剤が出現しており，当初切除不能であってもそれらの投薬経過中にコンバージョン肝切除が期待できる．実際に当科でレンバチニブ投与後に切除し得た11例を経験したが，安全に葉切除以上の肝切除が施行可能であった．コンバージョン肝切除のsurvival benefitについては，さらなる症例の蓄積と検討が必要であるが，cancer free, drug freeが実現できるメリットがある．当初切除不能であっても，治療経過中つねに切除の可能性を念頭におく必要があると考えられる．
詳細
Conversion hepatectomy after lenvatinib for advanced hepatocellular carcinoma
多田 正晴 波多野 悦朗 鳥口 寛 奥野 将之 岡本 共弘 河端 悠介 岩間 英明 末岡 英明 中村 育夫 藤本 康弘
兵庫医科大学肝胆膵外科