肝胆膵第83巻第2号

WNT/β-catenin 変異のimaging biomarker としてのEOB-MRI

電子書籍のみ

  • 青木 智子,他(近畿大学)
  • 発行日:2021年08月28日
  • 〈要旨〉
    肝細胞癌の一次治療薬として免疫チェックポイント阻害剤が登場したが,治療効果を非侵襲的に予測できる指標はまだ確立されていない.本研究では,Wnt/β-cateninの活性化変異を反映するGd-EOB-DTPA-enhanced MRIの肝細胞相を用いて,治療奏効を評価した.抗PD-1/PD-L1単独療法を受けた切除不能肝細胞癌のうち,Child-Pugh class Aの症例18名における68個の肝内結節を対象とした.肝細胞相では結節ごとのRERを算出し,各結節が20%以上増大するまでの時間(TTnP),無増悪生存期間(PFS),奏効率(ORR)を比較した.RER≧0.9以上の等~高信号結節を有する症例(n=8)とRER<0.9の低信号結節を有する症例(n=10)を比較すると,PFS中央値は2.7か月(95%CI:1.4~4.0)対5.8か月(95%CI:0.0~18.9)(p=0.007),ORRは12.5%(1/8)対30.0%(3/10),DCRは37.5%(3/8)対70.0%(7/10)であった.等~高信号結節(n=23)と低信号結節(n=45)のTTnP中央値は1.97か月(95%CI:1.86~2.07)対「未達」であった(p=0.003).抗PD-1/PD-L1単独療法において,WNT/β-catenin活性化変異を反映した等~高信号結節を有する場合にTTnPおよびPFSが有意に短いことが示され,EOB-MRIは有用なイメージングバイオマーカーになると考えられた.

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Hepatobiliary phase of Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI as an imaging biomarker for WNT/β-catenin mutations for unresectable hepatocellular carcinoma
青木 智子*1 西田 直生志*1 上嶋 一臣*1 祖父江 慶太郎*2 鶴崎 正勝*3 工藤 正俊*1
*1近畿大学医学部消化器内科学
*2神戸大学大学院医学研究科放射線診断学分野
*3近畿大学医学部放射線診断科