肝胆膵第80巻第3号

超音波内視鏡下胃空腸吻合術の現況と展望

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  • 土屋 貴愛,他(東京医科大学)
  • 発行日:2020年03月28日
  • 〈要旨〉
    超音波内視鏡下胃空腸吻合術(EUS-GE)は,胃十二指腸閉塞(GOO)に対する新しい低侵襲内視鏡治療法として注目されている.EUS-GEではステントを安全かつ確実に展開できること,留置後のステント逸脱がないことが重要であり,最適なステントは,lumen-apposing metal stent(LAMS)と考えられる.EUS-GEは技術的に,“directgastroenterostomy”,“balloon-assisted gastroenterostomy”,そして“EUS-guided balloonoccludedgastrojejunostomy bypass”の三つの方法に分類できる.これまでのLAMSを使用したEUS-GEの報告では,手技成功率が87~ 100%,治療奏効率が84%~96%とされ,EUS-GEと内視鏡的十二指腸ステント留置術の比較試験では,同等の手技成功率が示され,十二指腸ステントグループよりもEUS-GEグループでより高い治療奏効が得られたと報告されている.EUS-GEは将来GOOの標準的な治療アプローチになる可能性を秘めており,さらなる技術開発や保険適応のための臨床試験が期待される.

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EUS-guided gastroenterostomy –current status and future perspective–
土屋 貴愛 祖父尼 淳 石井 健太郎 田中 麗奈 殿塚 亮祐 向井 俊太郎 山本 健治郎 松波 幸寿 朝井 靖二 黒澤 貴志 糸井 隆夫
東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野