肝胆膵第80巻第3号
EUS-FNA検体における液状化検体細胞診（liquid-based cytology：LBC）
電子書籍のみ
- 美登路 昭，他（奈良県立医科大学）
- 発行日：2020年03月28日
- 〈要旨〉
液状化検体細胞診（liquid-based cytology：LBC）は，採取材料を特殊な固定保存液に入れて，液状化した細胞診検体から病理標本を作製する方法で，近年，リンパ節や膵腫瘤などに対するFNA検体での有用性が報告されている．LBC法の利点としては，血液などの除去による標本の適正化，高い細胞回収率，内視鏡室での処置の簡便さなどがあげられ，今後rapid on-site evaluation（ROSE）が施行困難な施設での普及が見込まれる．また，残余検体を用いて，免疫染色や分子生物学的解析も施行可能で，補助診断やprecision medicine への応用も期待される．
詳細
Liquid-based cytology with EUS-FNA sample
美登路 昭＊1 吉田 太之＊2 沢井 正佳＊3 北川 洸＊1 藤永 幸久＊1 小堤 隆広＊1 畠山 陽子＊4 西川 武＊4 山尾 純一＊5 吉治 仁志＊1
＊1奈良県立医科大学消化器・代謝内科
＊2地方独立行政法人奈良県立病院機構奈良県西和医療センター消化器・糖尿病内科
＊3南和広域医療企業団南奈良総合医療センター消化器内科
＊4奈良県立医科大学病理診断学講座
＊5同 中央内視鏡部