肝胆膵第78巻第4号
- 特集/Post SVR時代のC型肝炎診療
- 発行日:2019年04月28日
- 〈企画趣旨〉
C型肝炎は、DAAの登場により大多数の症例で極めて効率にウイルス排除を達成できる時代となった。従来治療困難とされた透析、肝移植症例、非代償性肝硬変に対しても、安全性、有効性が示されている。一方、DAA治療不成功例では、薬剤耐性変異に対する再治療など解決すべき問題は多い。また今後SVR後の肝発癌例の増加が予想されるが、SVR達成例に対するサーベイランスについても標準化する必要がある。今回の特集では、それぞれの肝炎ウイルスの基礎知識から近年進歩した診断、治療などの最新知見、行政の取り組みなども含め、主にPost SVRに焦点を当て、領域のご専門の先生方に執筆していただいた。
詳細
〈目次〉
〔巻頭言〕今後のC型肝炎診療の展望 山梨大学 榎本 信幸
DAA 治療の現況
本邦におけるDAA治療プロトコルの変遷 虎の門病院 芥田 憲夫
DAA治療不成功例に出現する薬剤耐性変異の動態と再治療成績 埼玉医科大学 内田 義人,他
実臨床におけるグレカプレビル+ピブレンタスビル治療効果-DAA不成功例を含めて- 愛媛大学 渡辺 崇夫,他
DAA治療不成功例に対するソホスブビル/ベルパタスビル+リバビリン治療 武蔵野赤十字病院 泉 並木
申請医のための肝炎・肝癌治療特別促進事業ガイド 国立国際医療研究センター 瀬戸山 博子,他
Special Populationに対するDAA治療
腎不全・透析症例に対するDAA治療と予後 日本医科大学 厚川 正則,他
肝移植後症例に対する治療成績 京都大学 上田 佳秀,他
HIV合併例の問題点とDAA治療成績 長崎大学 三馬 聡,他
HBV感染とDAA治療 北海道大学 須田 剛生,他
非代償性肝硬変に対するソホスブビル/ベルパタスビル治療 大阪大学 竹原 徹郎
Post SVRの諸問題
C型肝炎からの発癌の特徴とC型肝炎治療による肝組織病態の変化 慶應義塾大学 眞杉 洋平,他
SVR後の脂質代謝変化はメタボリックリスクか 国立病院機構長崎医療センター 八橋 弘,他
Post SVRにおけるM2BPGiの意義 東京医科歯科大学 中川 美奈,他
MR ElastographyによるSVR後の肝硬度の検討 武蔵野赤十字病院 玉城 信治
SVR後の門脈圧亢進症の変化 広島大学 今村 道雄,他
DAA治療による肝発癌・再発抑制効果 鹿児島大学 馬渡 誠一,他
SVR後肝癌の画像的特徴 山梨大学 佐藤 光明,他
EOB-MRIによる肝癌サーベイランス-“Clean Liver”の意義は- 大垣市民病院 豊田 秀徳,他
ウイルス排除(SVR)の外科治療成績への影響 山口大学 中島 正夫,他
座談会
Post SVR時代のC型肝炎診療 (司会)坂本 直哉(北海道大学)/上野 義之(山形大学)/持田 智(埼玉医科大学)/考藤 達哉(国立国際医療研究センター)
シリーズ 肝臓の病理形態の理解と診断へのアプローチ
門脈周囲性帯状壊死 福井県済生会病院 中沼 安二