Bone Joint Nerve通巻第20号第6巻第1号

骨質の評価

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  • 斎藤 充ほか(東京慈恵会医科大学)
  • 発行日:2016年01月01日
  • 〈抄録〉
    骨強度は骨密度と骨質に依存する.さらに骨質は微細構造学的な構造特性と,基質の素材としての材質特性に分けられる.骨密度の低下および骨の微細構造の破綻は骨吸収優位の骨リモデリングの亢進で生じる.これらは骨吸収マーカーやCTによる構造解析で評価可能である.しかし,骨粗鬆症における材質特性の低下は,骨吸収の亢進では説明できない.骨の材質特性は,骨の単位体積当たり50%を占めるコラーゲンの分子間架橋形成に依存する.コラーゲン架橋の異常は,石灰化やハイドロキシアパタイトの結晶成長にも直接影響を及ぼし,骨微細損傷(マイクロクラック)発生の原因となることがわかってきた.コラーゲンの変化は骨吸収マーカーやCTでは評価できないため,特異的なマーカー,もしくは画像解析の確立が必要である.すでに,コラーゲンへの終末糖化産物による異常架橋(ペントシジン,カルボキシルメチルリジン)やホモシステインの体液中の高値が骨質劣化を評価するマーカーとしてエビデンスが集積されている.さらに,物性を評価するための超音波測定の手法も臨床応用に向けて開発が進んでいる.個々の骨粗鬆症例における骨密度や骨質の劣化は多様である.個別に骨密度,骨質を評価し,患者個人にあったテーラーメイド治療を確立することが必要である.

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How do we estimate bone quality?
斎藤 充 丸毛 啓史
東京慈恵会医科大学 整形外科