肝胆膵第76巻第6号
Focal nodular hyperplasiaの自然経過―進行，増悪例を含む―
電子書籍のみ
- 斎藤 聡，他（虎の門病院肝臓センター）
- 発行日：2018年06月28日
- 〈要旨〉
Focal nodular hyperplasia（FNH）は分子病理学の進歩により，各種免疫染色により確定診断が可能となった．また，画像診断も進歩し，診断能が飛躍的に向上した．FNHと確定診断ができ，自然経過が観察できる時代となった．一方，多発するFNHは先天性心疾患のFontan手術後や非硬変性門脈圧亢進症疾患に代表される血流異常を伴う肝疾患に合併することが知られている．10年程度の自然経過では増大，縮小，不明瞭化，さらには血流動態が変化するなど一様ではなく多彩である．FNHは画像診断による非侵襲ないしは低侵襲検査による慎重な経過観察が必要である．
詳細
Natural course of focal nodular hyperplasia -including progression， exacerbation cases-
斎藤 聡＊1 近藤 福雄＊2
＊1虎の門病院肝臓センター
＊2帝京大学医学部病理学講座