肝胆膵第76巻第6号

非硬変性門脈圧亢進症の急性増悪,急性進展―血栓形成を含めて―

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  • 佐藤 明,他(高松平和病院)
  • 発行日:2018年06月28日
  • 〈要旨〉
    特発性非硬変性門脈圧亢進症は肝内末梢門脈枝の閉塞,狭窄により門脈圧亢進症に至る比較的稀な症候群で,その病因はいまだ解明されていない.肝機能異常が軽度なため,その早期診断は難しく,臨床症状を契機にして診断された時点では末期と考えられている.食道・胃静脈瘤からの出血がコントロールされるなら予後は良好とされているが,かなりの頻度で二次的に門脈血栓症が合併する.肝内外の大型門脈を閉塞する門脈血栓症は硬化した門脈壁に血栓塞栓症を繰り返すことで生じ,それが原因で肝不全の進行や出血性小腸梗塞などの急性増悪や死亡につながる.したがってスクリーニング検査による門脈血栓の早期診断と抗凝固療法が必要である.

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Acute exacerbation of idiopathic noncirrhotic portal hypertension,including thrombus formation
佐藤 明*1 植本 一駿*2 豊岡 志帆*2 何森 晶*2 蓮井 宏樹*2
*1香川医療生活協同組合高松平和病院病理科
*2同 内科