肝胆膵第76巻第6号
アルコール性肝障害に発生するAcute-on-chronic liver failure
電子書籍のみ
- 長谷川 浩司,他(三重大学)
- 発行日:2018年06月28日
- 〈要旨〉
わが国のacute-on-chronic liver failure(ACLF)の増悪要因および背景肝病変としてはアルコールが多く,重症アルコール性肝炎の予後は不良である.アルコール性肝炎重症度スコアJAS10点以上は重症アルコール性肝炎で積極的な治療介入が必要である.その予後は消化管出血,感染症,腎不全,DICなどの合併症が関与しており,合併症が進行する前に,副腎皮質ステロイド,白血球除去療法,血漿交換,血液(濾過)透析などの治療を組み合わせ,病態にあった治療をする必要がある.重症アルコール性肝炎に関して現在有効な治療法がなく,ACLFを減少させるためにはアルコール健康障害対策基本法に基づく多職種連携による地域ネットワークの構築をはじめ包括的な対策が必要である.
詳細
Acute-on-chronic liver failure in alcoholic liver injury
長谷川 浩司 竹井 謙之
三重大学大学院医学系研究科消化器内科学