臨床精神医学第47巻第6号

研究報告 不定愁訴が主体であった早期の特発性正常圧水頭症(iNPH)の1症例─iNPH 診断におけるCT,MRIおよびSPECT 所見の比較・検討─

電子書籍のみ

  • 林 眞弘
  • 発行日:2018年06月28日
  • 〈抄録〉
    特発性正常圧水頭症(iNPH)は,歩行障害・排尿障害・認知機能障害を3徴とし,高齢者に多く,脳脊髄液の吸収障害に起因する疾患である。本邦の2011年の診療ガイドラインは,Possible iNPH(PoiNPH)の必須項目から,神経内科・脳神経外科での髄液検査施行の項目がなくなり,3徴と画像所見で診断可能となり,精神科でのPoiNPHの診断も可能となった。iNPHは認知機能障害のほか,アパシーや不安,妄想,情緒的興奮,抑うつ,焦燥感など多彩な精神症状を呈する疾患である。今回不定愁訴が主体の80代の症例を経験し,画像所見を中心にPoiNPH診断確定に至り,症状の軽減にもつながった。診断では,頭部MRIや脳血流SPECTでのDESH・CAPPAH signも重要だが,頭部CTでもiNPH所見の把握が可能で,早期に3徴が目立たない症例でも,CTでの検索による早期の診断・対応や治療が大切であると思われる。

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

A iNPH patient that has developed a variety of symptoms at an early stage; a case report -Comparative study of computer tomography (CT) images, magnetic resonance images (MRI) and single photon emission computed tomography (SPECT)images in the diagnosis of iNPH-
林 眞弘
医療法人社団浅ノ川桜ケ丘病院神経科精神科