臨床精神医学第47巻第6号
精神生理学的検査・治療法の基本と応用
電子書籍のみ
- 篠崎 和弘(浅香山病院)
- 発行日:2018年06月28日
- 〈抄録〉
精神生理学的な検査と治療法について,基本領域(専攻医向け)と応用領域(サブスペシャルティ向け)に分けて概観した。精神科診療に脳波が果たす役割,専攻医の段階での脳波判読の到達目標,必要な脳波の知識とテクニカル・タームを紹介した。生物学的診断指標を精神疾患が持たない中で,脳波は精神疾患と器質的疾患との鑑別に決定的な役割を担っている。そのためには画像データなどほかのデータと総合的に病態を理解する力が必要になる。応用領域では事象関連電位,PPI,ppTMSを紹介した。これらの多くは統合失調症のGABA/グルタミン酸受容体異常仮説に沿うもので,早期介入の臨床指標を目指している。脳波や精神生理学の専門家が少なくなっている中,専攻医の教育を担う人材と体制の強化が課題である。
詳細
The basic and application of psychophysiological examinations and treatments
篠崎 和弘
公益財団法人浅香山病院臨床研究研修センター