臨床精神医学第47巻第5号

ADHD診療実践における前提と留意点─診断・治療の誤りを避けるために─

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  • 井上 勝夫(北里大学)
  • 発行日:2018年05月28日
  • 〈抄録〉
    ADHD診療で陥りやすい誤りを述べた。症状評価では,落ち着きがないなどとの訴えの具体的内容を吟味することや,症状が発達水準に不相応か,複数の場面で生じているかなどの確認が不可欠である。学校教室の統制の問題や,虐待を含めた親子関係の問題の評価,および,要因と結果について双方向で検討する必要もある。これで過剰診断も避けられる。診断見逃しについては,不注意症状が優勢なADHDをあげた。鑑別診断では,診断基準の記載とは別に,精神科診断の基本である外因,内因,心因の順序をふまえるべきことを強調した。治療では,薬剤の添付文書の内容に留意すること以外に,患児ごとに具体的な標的症状を決めておくことが臨床の質の向上に寄与することを述べた。前提として,EBMが集団から過去の既成事実を集積して成立しているのに対し,診療実践は個人を対象とし,診断の仮説立案と治療を通じてその検証を行う,未来に向けた作業であることを指摘した。

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Premise and gist in ADHD clinical practice -to avoid errors in diagnosis and treatment
井上 勝夫
北里大学医学部精神科学,地域児童精神科医療学