臨床精神医学第53巻第9号
注意欠如多動症の早期介入
電子書籍のみ

- 岡田 俊(奈良県立医科大学)
- 発行日:2024年09月28日
- 〈抄録〉
注意欠如多動症(ADHD)には,成人期までに自尊心の低下などの心理社会的問題や内在化・外在化障害を併存しやすく,小児期より心理社会的介入あるいは薬物療法を含む包括的介入を行うことが大切と考えられている。しかし,多くの介入は学童期中期以降の介入を指しており,それ以前の介入,特に就学以前の介入については必ずしも十分に提供されていない実情がある。親子間相互交流療法(PCIT)やペアレント・トレーニングは,児童の行動上の問題を改善するだけでなく,親の育児負担を軽減し,親子の関係性の改善や不適切養育のリスクを軽減するなどの効果があるが,診療報酬上の規定もなく,身近に治療を受ける機会がない。また,近年ではデジタル機器の導入も検討されており,特にゲームを用いた介入は日本でも臨床試験が実施され,その効果をもとに承認申請中である。今後は,デジタル機器を用いた介入が治療ガイドライン上,どのように位置づけられ得るのかが検討されなければならない。
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Early intervention for attention-deficit/hyperactivity disorders
岡田 俊
奈良県立医科大学精神医学講座