臨床精神医学第53巻第9号

自閉スペクトラム症の早期発見

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  • 坂本 由唯(弘前大学)
  • 発行日:2024年09月28日
  • 〈抄録〉
    発達障害のなかでも特に自閉スペクトラム症(ASD)は「早期発見」の重要性が強調されている。ASDの早期発見に明確な定義はないが,本邦では乳幼児健診すなわち1 歳6 か月ないし3歳頃に発見することが目標となっている。ASDの早期兆候の具体例として,アイコンタクトや表情,共同注意の少なさ,言語発達の遅れ,反復行動などがあげられるが,早期兆候をつかむには定型発達を理解し,それぞれの年齢における発達のマイルストーンに到達しているか否か評価する必要がある。早期発見が推奨される最大の理由は早期療育である。早期療育を受けると,将来的な適応度や自立度,就労などの社会的アウトカムが改善すると報告されている。一方で,早期発見は過剰診断や過剰検査などの問題も抱えている。早期発見のメリットだけでなく,評価ツールの特性や限界,早期発見に潜む留意点を考慮したうえで,子どもの発達を促し保護者をサポートしていく必要がある。

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Early identification of autism spectrum disorder
坂本 由唯
弘前大学医学部附属病院神経科精神科