肝胆膵第81巻第6号
COVID-19の発症におけるアンジオテンシン変換酵素(ACE)1 D/I 遺伝子型の関わり- Factor Xの可能性としてのACE 1 polymorphism -
電子書籍のみ
- 山本 直樹,他(国立国際医療研究センター研究所)
- 発行日:2020年12月28日
- 〈要旨〉
SARS-CoV-2によるCOVID-19パンデミックは,欧州や南北米州で高い罹患と死亡率の原因となっている.われわれは,SARS-CoV-2感染に関連する遺伝的素因,特にACE 2がSARS-CoV-2の受容体であるため,アンジオテンシン変換酵素(ACE)関連遺伝子に焦点を当て研究を行った.その結果,集団におけるACE 1Ⅱ遺伝子型頻度は,SARS-CoV-2症例数および死亡者数と強い負の相関を示すことを見いだした.これらの結果は,ACE 1Ⅱ遺伝子型が有病率に影響を与える可能性があること,さらにCOVID-19重症度の予測マーカーとして有用であることを示唆している.
詳細
Involvement of angiotensin converting enzyme (ACE)1 D/I genotype in the development of COVID-19: ACE 1 polymorphism as a possible factor X
山本 直樹 溝上 雅史
国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト