肝胆膵第79巻第1号
転移性肝癌に対する腹腔鏡下肝切除－大腸癌肝転移を中心に―
電子書籍のみ
- 田中 肖吾，他（大阪市立大学）
- 発行日：2019年07月28日
- 〈要旨〉
大腸癌肝転移に対して，可能であれば肝切除が推奨されており，近年，腹腔鏡下肝切除症例数も増加している．開腹下肝切除と比較すると，腹腔鏡下肝切除では術後合併症の頻度が同様あるいは低く，在院日数は短かったと報告され，肝切除後長期成績も差がみられないことから，腹腔鏡下肝切除は低侵襲で，腫瘍学的にも容認される．しかし，原発巣切除後例では，癒着に注意が必要で，同時切除例では原発巣切除を考慮した術式や手技選択が重要である．また，肝切除術前に化学療法が施行されている症例では肝予備能評価に注意を要する．さらに腹腔鏡下肝切除を安全に行うには，低難度手術から高難度へと経験を積みながらskill upしていくことが重要である．
詳細
Laparoscopic liver resection for metastatic liver tumors
田中 肖吾 竹村 茂一 天野 良亮 木村 健二郎 山添 定明 新川 寛二 大平 豪 久保 正二
大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵外科学