肝胆膵第79巻第1号
腹腔鏡下肝切除の安全性
電子書籍のみ
- 岡野 圭一,他(香川大学)
- 発行日:2019年07月28日
- 〈要旨〉
腹腔鏡下肝切除における安全性の検証と透明性の向上を目的として肝臓内視鏡外科研究会を中心として前向き症例登録が行われている.2015~ 2017年までに登録された症例の結果は30日死亡率0.12%,90日死亡率0.22%であり,従来の肝切除術と比較しても安全性に遜色がないことを示している.さらに前向き比較試験を含めた多くの研究が,開腹手術に比較して腹腔鏡下肝切除の方が術後合併症発生率・術後在院期間において優れていることを報告している.現在,再肝切除など難易度の高い症例への安全な取り組みが課題となっている.ロボット支援腹腔鏡下肝切除は海外での報告が急速に増えてきており,今後は本邦での安全な導入と適応を明らかにしていくことが重要になると思われる.
詳細
Safety of laparoscopic liver resection
岡野 圭一 鈴木 康之
香川大学医学部消化器外科学