肝胆膵第78巻第1号
膵神経内分泌腫瘍におけるDAXX/ATRX異常とクロマチン修飾変化
電子書籍のみ
- 上田 浩樹，他（東京医科歯科大学）
- 発行日：2019年01月28日
- 〈要旨〉
膵神経内分泌腫瘍（pancreatic neuroendocrine tumor：PNET）のゲノム解析により遺伝子全体の異常が明らかになり，DAXXとATRXの遺伝子変異がPNET特異的に認められることが報告された．これら遺伝子の不活化は，PNETの臨床病理学的悪性度に関わることが示されている．DAXXはATRXと複合体を形成し，テロメラーゼ非依存性テロメア伸長，ヘテロクロマチン安定化，クロマチン修飾変化を伴う転写抑制作用など多彩な機能を有する．DAXXは癌抑制的機能をもつことが明らかとなり，治療標的としての重要性も示唆されている．
詳細
Loss of DAXX/ATRX and chromatin modification alteration in pancreatic neuroendocrine tumor
上田 浩樹 秋山 好光 田中 真二
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子腫瘍医学