肝胆膵第78巻第1号
膵臓神経内分泌腫瘍の予後予測や原発巣推定に有用な免疫染色
電子書籍のみ
- 全 陽(神戸大学)
- 発行日:2019年01月28日
- 〈要旨〉
膵臓に発生する神経内分泌腫瘍(NET)の予後を予測することは難しい.現在,WHO分類で記載されたgradingが最も広く用いられている.それ以外にCK19の発現が予後不良因子と報告されたが,いまだ広く受け入れられるには至っていない.われわれは幹細胞マーカーであるCD133の発現が予後不良因子になることを報告した.10〜20%の症例で陽性となり,陽性例は陰性例に比して無再発期間が有意に短く,Grade別に解析しても予後に関連する.また,原発不明NETの予後予測に有用な分子として,肺原発腫瘍に対してはTTF-1,消化管原発腫瘍に対してはCOX2が用いられる.膵原発腫瘍に対してはislet-1,NKX6-1の染色が有用だが,多くの施設では保有していない抗体である.PAX8は広く普及した抗体であり,これが膵原発を予測するマーカーとして代用可能である.
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Immunohistochemistry for characterization of pancreatic neuroendocrine tumors
全 陽
神戸大学病理ネットワーク学