臨床精神医学第47巻第10号

発達障害児の社会的媒介者としての「弱いロボット」

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  • 木村 秀生(大阪河﨑リハビリテーション大学)
  • 発行日:2018年10月28日
  • 〈抄録〉
    言語聴覚士による発達障害児へのコミュニケーション発達支援の一例としてコミュニケーションロボットの適用を試みた経験を紹介する。使用したのは,ロボット単体では何もできず,他者との「あいだ」で一つのシステムを創りながら互いの行為を実現していく「関係発達論的なロボット」=「弱いロボット」とされるものである。障害児が直面することが多い優位な他者と「対峙する関係」ではなく,「対等に共鳴し合う関係」=「並ぶ関係」的場面をロボットとの「あいだ」で比較的容易に創出することできた。その結果,従来に比し高次のコミュニケーション表出をみせた児が多数存在した。その新たな表出が媒介となり,セラピストや家族と児の関係の変容もみられた。発達障害児と他者との新たな関係を生成する「社会的媒介者」としての「弱いロボット」の有効性が示唆された。同時に,発達障害児たちにとって適切な他者との関係や他者の関わり方とはどういう内容になるのかをあらためて考えさせる契機ともなった。

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Weak robot as social mediator for children with developmental disorders
木村 秀生
大阪河﨑リハビリテーション大学言語聴覚学専攻