臨床精神医学第47巻第8号

自閉スペクトラム症児における発達指数と知能指数の関連性の検討

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  • 河邉 憲太郎・他(愛媛大学)
  • 発行日:2018年08月28日
  • 〈抄録〉
    自閉スペクトラム症(ASD)児における認知パターンの把握は,療育を考えるうえで必要である。小児の認知発達評価には,新版K式発達検査2001(KSPD)およびウェクスラー式知能検査児童版(WISC-Ⅳ)が頻用されるが,各検査で算出される発達指数(DQ)と知能指数(IQ)が混在して扱われている現状もある。KSPDを用いたDQはWISC-Ⅳを用いたIQの代替となり得るか,ASD児と定型発達児それぞれにおいて検討し明らかにすることを目的に調査を行った。対象は知的障害を合併しないASD児9名と,定型発達児6名である。KSDPの全領域DQ,言語・社会DQ,認知・適応DQと,WISC-ⅣのFSIQ,言語理解,知覚推理,ワーキングメモリー,処理速度の関係を検討した。ASD児における全領域DQとFSIQに有意差は認めず,定型発達児においても同様であった。ASD児において,WISC-Ⅳの言語理解とKSPDの全領域DQおよび言語・社会DQとに高い相関係数を認めた(r=0.859; r=0.872)が,定型発達児おいては同指標の相関係数は0.162と低かった。DQ・IQの代替には慎重を期す必要があることが示唆された。

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A relationship between developmental quotient and intelligence quotient in children with autism spectrum disorder
河邉 憲太郎1,2) 近藤 静香1,2,3) 伊藤 瑠里子1,2) 松本 美希1,2) 堀内 史枝1,2) 上野 修一1)
1)愛媛大学大学院医学系研究科分子・機能領域精神神経科学講座
2)愛媛大学医学部附属病院子どものこころセンター
3)松山赤十字病院精神科