臨床精神医学第47巻第8号

rTMSの抗うつ機序─精神生理学的知見から─

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  • 野田 賀大(慶應義塾大学)
  • 発行日:2018年08月28日
  • 〈抄録〉
    うつ病は,本邦だけで約112万人が罹患していると言われており,慢性的な抑うつ症状を示す者も含めると,その総数は約400万人以上いると推定されている(厚生労働省白書)。また,うつ病の生涯有病率は10〜15%と言われており,うつ病患者の15〜35%が薬物治療抵抗性を示すとされる。さらに,薬物治療が奏効しない治療抵抗性うつ病(treatment-resistant depression)による社会経済的損失は治療反応性うつ病と比べ,約6倍の開きがあると推計されている。そのような背景から,特に治療抵抗性うつ病は,医療の枠組みを越えて大きな社会問題となっている。近年,治療抵抗性うつ病に対する新規治療技術として,反復経頭蓋磁気刺激療法(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)が登場し,その有用性は過去15年以上に亘り,世界中から繰り返し報告されているが,その生物学的な抗うつ機序についてはまだ十分に明らかにされていない。本稿ではrTMSの生物学的治療メカニズムを解明する上で重要な考え方および方略について概説する。

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Antidepressant mechanism of rTMS from the perspective of neuro-psychophysiology
野田 賀大
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室精神病態生理学研究室