臨床精神医学第47巻第8号

rTMSによるうつ病治療における臨床的バイオマーカー

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  • 立石 洋・他(佐賀大学)
  • 発行日:2018年08月28日
  • 〈抄録〉
    反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)が治療抵抗性うつ病に対して効果があることは示されているが,その詳細な作用メカニズムは依然として不明である。うつ病におけるrTMSに関する臨床的なバイオマーカーの確立を目指して,神経免疫内分泌研究,神経画像研究,電気生理学的研究,認知機能の各側面からの研究がなされている。神経免疫内分泌研究としてコルチゾール,脳由来神経栄養因子(BDNF)など,神経画像研究としては機能的MRI,PET,SPECTなど,電気生理学的研究として脳波など,認知機能として前頭葉機能を反映する各種心理検査の研究がある。いずれの研究報告もサンプルサイズが小さく,確立したバイオマーカーは存在しないが,それぞれに利点や欠点があるため,評価項目同士を組み合わせることによって,また,今後コントロール群のあるサンプルサイズのより大きい研究の蓄積により,よりよいバイオマーカーが見いだされ,ひいてはうつ病治療の最適化に貢献することが期待される。

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Clinical biomarkers in the treatment of depression by rTMS
立石 洋*1 門司 晃*2
*1佐賀大学医学部附属病院精神神経科
*2佐賀大学医学部精神医学講座