臨床精神医学第45巻第9号

死後脳から見た統合失調症─グルタミン酸仮説を中心として

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  • 上里 彰仁・他(東京医科歯科大学)
  • 発行日:2016年09月28日
  • 〈抄録〉
    NMDA型グルタミン酸受容体の遮断が統合失調症様症状を惹起するという臨床的観察に基づくグルタミン酸仮説は,統合失調症の病態仮説としてさまざまな研究手法により検証されている。死後脳を用いた研究は,脳組織を直接の対象とし,特定の脳部位における細胞や細胞構築を観察し,遺伝子発現量を測定することのできる唯一の手法である。現在までに報告されてきた所見の中で最も一貫しているものは,前頭葉における錐体細胞の樹状突起の形態学的変化である。また,NMDA受容体サブユニットの1つであるGluN1のmRNAおよびタンパク質発現量は比較的多く調べられており,その低下が報告されている。近年では,グルタミン酸神経伝達に関連する遺伝子の発現変化が,ゲノムの違いや,DNAメチル化修飾などのエピジェネティクスに関連していることが明らかになりつつある。

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The glutamate hypothesis of schizophrenia in postmortem studies
上里 彰仁* 山本 直樹*,** 西川 徹*
*東京医科歯科大学大学院精神行動医科学分野
**東京都立多摩総合医療センター精神神経科