臨床精神医学第54巻第2号

Complex PTSD

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  • 千葉 比呂美・他(久留米大学)
  • 発行日:2025年02月28日
  • 〈抄録〉
    複雑性心的外傷後ストレス症(complex post-traumatic stress disorder,以下CPTSD)とは,典型的には慢性的に繰り返された心的外傷体験の結果,PTSDの主要3 症状(再体験・回避・脅威の感覚)に加え,感情調整の困難,否定的な自己概念,対人関係の困難を三徴とする自己組織化の障害(Disturbance in Self-Organization:DSO)により家庭や社会生活上,機能障害をきたす疾患概念である。CPTSDはICD-11の新しい診断要件として収載された。本稿ではCPTSDの概念から診断・治療までを概説した。CPTSDでは,PTSD症状もさることながら感情調整や対人関係の困難さといったDSO症状が前景に立ち,それゆえに社会不適応を起こし,二次的に気分症状や不安症状を呈することがめずらしくない。複数の精神疾患のリスクを同時に高めることも指摘されており,症状評価を包括的に行う必要がある。患者の抱える背景も症状も多彩であり,個々の症状やニーズに合わせて治療法を選択していくことが求められる。

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Complex PTSD
千葉 比呂美 大江 美佐里
久留米大学医学部神経精神医学講座