肝胆膵第85巻第6号
消化管閉塞に対するステント療法
電子書籍のみ
- 中井 陽介，他（東京大学）
- 発行日：2022年12月28日
- 〈要旨〉
膵癌診療における消化管閉塞のマネジメントは，胆管閉塞と同様に重要である．「膵癌診療ガイドライン2022年版」の改訂により，消化管閉塞に対する治療としては内視鏡的消化管ステントが第一選択として提案され，予後が期待される場合には長期的成績が優れた外科的胃空腸吻合術も選択肢となるとされた．また消化管・胆管閉塞合併例に対する治療も新たなclinical questionとして取り上げられ，胆道ドレナージ法としては超音波内視鏡を用いた経消化管胆道ドレナージを選択することが提案された．膵癌診療においては，特に超音波内視鏡関連手技のデバイスの開発が進んでいること，診療面では術前化学療法の発展により切除も念頭に置いた治療選択が必要となりつつあることから，今後も治療方針は変遷していくであろう．
詳細
Stenting for gastric outlet obstruction
中井 陽介＊1,2 佐藤 達也＊2 白田 龍之介＊2 石垣 和祥＊2,3 斎藤 友隆＊2 濱田 毅＊2 高原 楠昊＊2 藤城 光弘＊2
＊1東京大学医学部附属病院光学医療診療部
＊2東京大学医学部消化器内科
＊3東京大学医学部附属病院外来化学療法部