肝胆膵第85巻第6号
膵癌の画像診断-栄養評価・体組成評価を含めて-
電子書籍のみ
- 祖父尼 淳,他(東京医科大学)
- 発行日:2022年12月28日
- 〈要旨〉
2022年版膵癌画像診断のアルゴリズムにおいては,膵癌を疑う臨床症状,膵酵素,腫瘍マーカーの上昇,膵癌のリスクファクター,健診・検診・人間ドック,他疾患の精査や経過観察中に膵画像異常所見があった際には,USは外来診療や健診・検診において簡便で侵襲のない検査として有用であり,ファーストステップとして位置づけられる.しかし膵全体の描出に限界があることに注意する必要があり,造影CT,腹部MRI,EUSなどの画像検査を追加することが望ましく,ほかの画像診断を十分に実施する場合はスキップしてよい.EUSは習熟した施設で行うことが望ましい.必要に応じてFDG-PETや審査腹腔鏡を行う.FDG-PETは膵癌の確定診断がついていない場合には推奨されない.また上記画像検査で膵管狭窄などの異常を認める患者では,腫瘍は指摘できなくてもERCPによる精査が考慮される.可能な限り病理診断を行い,診断確定,病期診断を進める.
詳細
Imaging diagnosis of pancreatic cancer – including nutritional and body composition assessment–
祖父尼 淳 土屋 貴愛 山本 健二郎 糸井 隆夫
東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野