肝胆膵第85巻第6号
- 特集/「膵癌診療ガイドライン2022」のエッセンス
- 発行日:2022年12月28日
- 〈企画趣旨〉
2022年7月12日に発刊された改訂版では,従来からある7つの作成グループ(診断グループ,外科的治療法グループ,補助療法グループ,放射線療法グループ,化学療法グループ,ステント療法グループ,支持・緩和療法グループ)と「作成方法論グループ」に加えて,新たに最近の膵癌診療の大きな柱となりつつある遺伝子やバイオマーカーを用いた診断や治療を専門的に扱う「プレシジョン・メディスングループ」と患者・市民参画をこれまで以上に推進するための「患者・市民グループ」を設けている.2019年の前版から3年を経て,その間に新たなエビデンスが集積していることから改訂となった.本特集では,分厚い教科書のようなガイドライン書をコンパクトにまとめ,エッセンスを読者に理解してもらうために企画した.
詳細
〈目次〉
〔巻頭言〕みんなでつくる「膵癌診療ガイドライン2022」 国立がん研究センター中央病院 奥坂 拓志
Ⅰ.診 断
膵癌のリスク因子 東京女子医科大学 高山 敬子
膵癌の遺伝子検査 国立がん研究センター中央病院 森實 千種
膵癌の画像診断-栄養評価・体組成評価を含めて- 東京医科大学 祖父尼 淳,他
膵癌の病理組織学的診断 広島大学 芹川 正浩,他
画像による病期診断・切除可能性診断 金沢大学 井上 大
Ⅱ.治 療
切除可能膵癌の外科的治療-補助療法も含めて- 九州大学 池永 直樹,他
切除可能境界(borderline resectable)膵癌の外科的治療-補助療法も含めて- 奈良県立医科大学 中川 顕志,他
局所進行切除不能(locally advanced)膵癌と遠隔転移を有する膵癌に対する放射線療法 昭和大学 伊藤 芳紀
局所進行切除不能(locally advanced)膵癌に対する化学療法 愛知県がんセンター 水野 伸匡,他
局所進行切除不能(locally advanced)膵癌に対する外科的治療 富山大学 松本 茂樹,他
遠隔転移を有する(metastatic)膵癌に対する化学療法 山口大学 井岡 達也,他
遠隔転移を有する膵癌に対する外科的治療 近畿大学 松本 逸平,他
閉塞性黄疸に対するステント療法 岡山大学 加藤 博也,他
消化管閉塞に対するステント療法 東京大学 中井 陽介,他
「膵癌診療ガイドライン2022」における支持・緩和療法 がん研究会有明病院 尾阪 将人
鼎 談
膵癌診療におけるガイドラインと実臨床
(司会)糸井 隆夫(東京医科大学)/上野 誠(神奈川県立がんセンター)/ 永川 裕一(東京医科大学)