肝胆膵第82巻第5号
肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除－尾状葉病変への適応と手術手技－
電子書籍のみ
- 新木 健一郎，他（群馬大学）
- 発行日：2021年05月28日
- 〈要旨〉
腹腔鏡下肝切除は世界中で普及されつつあり，肝細胞癌に対しても開腹肝切除に比べ，良好な手術短期成績が報告されており，適応を限れば腹腔鏡下肝切除が標準治療の一部として施行されるようになった．尾状葉病変に対する腹腔鏡下肝切除は，ほかの辺縁腹側領域の病変に比べ難易度が高いが，Spiegel葉やparacaval portionの尾側の切除などは導入しやすく，よい適応である．ロボット支援肝切除は主に海外において一部のハイボリュームセンターで施行されることが多くなっているが，腹腔鏡下肝切除と比較して明確なメリットが見いだされていない．ロボット支援肝尾状葉切除についても報告が少なく，今後，有用性が見いだされることが期待される．
詳細
Laparoscopic liver resection for hepatocellular carcinoma located in the caudate lobe
新木 健一郎 播本 憲史 久保 憲生 渡辺 亮 五十嵐 隆通 塚越 真梨子 石井 範洋 調 憲
群馬大学大学院医学系研究科総合外科学講座肝胆膵外科学分野