肝胆膵第82巻第5号

肝細胞癌に対する尾状葉切除

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  • 檜垣 時夫,他(日本大学)
  • 発行日:2021年05月28日
  • 〈要旨〉
    尾状葉肝癌に対する安全な基本術式を確立する目的で,腫瘍占拠部位・腫瘍径・ICGR 15値を基準に提案した外科治療アルゴリズムと,これに基づいて予定・実行した201症例について概説する.アルゴリズムのコンプライアンスは86.6%,出血の中央値は400 mL(10~4,530 mL),合併症(クラビエン分類Ⅲb以上)と死亡率はそれぞれ3%と0%.5年全生存率および無再発生存率は57.3%と15.3%であった.尾状葉全切除と部分切除では,全生存期間に有意差はなく(71.2%対54%,p=0.213:5年),生存率の要因として外科的切除断端が関与していた(58%対45.6%,p=0.034:5年).生存の主な決定因子は血管浸潤(ハザード比1.7, 95% CI 1.0~3.1,p=0.026)と食道静脈瘤(2.0:1.1~3.4,p=0.008)であった.通常の亜区域切除の成績と比較した尾状葉部分切除の全生存にも有意差は認められなかった(65.4%対54.1%,p=0.203:5年).髙山の提案した外科治療アルゴリズムは尾状葉肝癌切除の道標として適したものといえる.

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Total caudate lobe resection for hepatocellular carcinoma
檜垣 時夫 髙山 忠利
日本大学医学部消化器外科