肝胆膵第82巻第5号
肝鋳型標本を用いた尾状葉の門脈と肝静脈の詳細な検討
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- 公文 正光,他(野市中央病院)
- 発行日:2021年05月28日
- 〈要旨〉
肝尾状葉は肝臓の深部に位置し,下大静脈,3主要肝静脈と肝門板に囲まれた領域であるとされているが,その定義に関する国際的なコンセンサスはまだ得られていない.筆者らは,肝鋳型標本を用いた研究から,門脈本幹ないし一次分枝から,尾状葉前面の肝実質に向けて背側に走行する枝を尾状葉枝と定義し,尾状葉をSpiegel,paracaval,caudate processの3つの領域に分類した.したがって,前後区域門脈枝の分枝が,下大静脈前面で右肝静脈の近傍の領域に分布していても,それはparacaval portion には含めるべきではない.尾状葉をportal segmentation(門脈の分岐形態)に沿って定義することは,国際的なコンセンサスを得るうえでも重要である.
詳細
Detailed study of the portal and hepatic veins of the caudate lobe using liver casts
公文 正光*1 公文 龍也*1 筒井 恵美子*1 並川 努*2 阪本 良弘*3
*1野市中央病院
*2高知大学医学部外科学講座1
*3杏林大学医学部付属病院肝胆膵外科