肝胆膵第76巻第5号

膵IPMNのメチル化解析と診断への応用

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  • 畠 達夫,他(東北大学)
  • 発行日:2018年05月28日
  • 〈要旨〉
    膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診療に際し,手術適応の決定に重要である悪性予測診断を可能にするバイオマーカーはいまだ開発されていない.癌化においてDNAメチル化異常などのエピジェネティックな変化はほかの癌腫では多数報告されているが,IPMNのメチル化解析は報告自体が少なく,さらにメチル化DNAマーカーを用いたIPMNの悪性予測診断能の検証は筆者らが嚢胞液を用いて行った解析のみである.メチル化DNAのコピー数の定量にはデジタルPCRが有用であり,複数のメチル化DNAマーカーを定量的に評価するマルチマーカーパネルは診断精度をさらに向上させる可能性がある.将来的な膵嚢胞のスクリーニングや内視鏡的精査への応用性を明らかにするためには,血液や膵液などの試料を用いた多数例での検証が必要である.

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詳細

Analysis of epigenetic alterations in intraductal papillary mucinous neoplasms of the pancreas: implications for clinical application
畠 達 夫*1 水間 正道*1 元井 冬彦*1 海野 倫明*1 Michael Goggins*2
*1東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座消化器外科学
*2 Johns Hopkins大学病理学講座