肝胆膵第76巻第5号
NAFLD線維化進展のエピジェネティクス
電子書籍のみ
- 堀田 紀久子,他(大阪大学)
- 発行日:2018年05月28日
- 〈要旨〉
近年の技術革新によりジェネティクス,エピジェネティクス研究分野は飛躍的に発展している.ゲノムワイド関連解析によりPNPLA3遺伝子領域がNAFLDの重要な遺伝因子であることが判明した.肝臓RNAシークエンスにより遺伝子ネットワークを同定した.ゲノムワイドメチル化解析にてNAFLDの進行に伴いメチル化レベルが変化する重要な遺伝子領域も見いだしている.NAFLD進行に伴う線維化,ミトコンドリア機能異常,易発癌性にはエピジェネティクスが重要であることがわかってきた.また遺伝子多型はエピジェネティクスに影響を及ぼすことも明らかになった.ジェネティクス,エピジェネティクスの研究により,NAFLDの治療ターゲットになるドライバー遺伝子が同定されることが期待される.
詳細
Epigenetics of liver fibrosis in NAFLD
堀田 紀久子*1 中島 淳*2
*1大阪大学医学部附属病院未来医療開発部
*2横浜市立大学大学院医学系研究科肝胆膵消化器病学