肝胆膵第76巻第5号

胆道癌の網羅的ゲノム・エピゲノム解析―国際共同研究の結果から―

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  • 十時 泰(国立がん研究センター研究所)
  • 発行日:2018年05月28日
  • 〈要旨〉
    日本人胆道癌240症例のゲノム解析により解剖学的部位(肝内,肝外,胆嚢)のゲノム変化と治療標的分子の特徴が明らかになった.また,予後が悪いサブグループは超変異腫瘍の濃縮と免疫チェックポイント分子の発現上昇を有しており,免疫調節療法はこれらの患者の潜在的に有望な選択肢でもありうることが明らかになった.さらに肝吸虫感染陽性の症例を含む世界横断的な胆管癌489症例のゲノム・エピゲノム統合解析によって臨床的背景と治療標的分子が異なり生命予後と相関する四つの分子サブタイプの分類が見いだされ,サブタイプごとに治療法を最適化していく必要性が示唆された.またこれらのサブタイプは高メチル化関連脱アミノ化と腫瘍異種性の異なるパターンを有しており,腫瘍形成における異なる体細胞進化プロセスが示唆された.

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Comprehensive and integrative genomic and epigenomic characterization of biliary tract cancer
十時 泰
国立がん研究センター研究所がんゲノミクス研究分野