肝胆膵第76巻第5号

癌幹細胞におけるエピゲノム異常

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  • 島田 周,他(東京医科歯科大学)
  • 発行日:2018年05月28日
  • 〈要旨〉
    現在,癌も正常組織と同様に幹細胞を頂点とする階層性が存在するという「癌幹細胞モデル」が支持されている.幹細胞では,自己複製と分化の制御にエピジェネティクスが関与しており,癌幹細胞でも同様のメカニズムが作用している可能性が高い.われわれは可視化膵癌幹細胞と血管新生阻害剤耐性肝癌幹細胞の樹立を通じて,癌幹細胞は非癌幹細胞とエピゲノムが異なっており,癌幹細胞性の維持・獲得に寄与する遺伝子は転写促進型のエピジェネティクス修飾がなされていることを明らかにしてきた.本稿では,癌幹細胞とエピゲノム異常に関する最近の知見について概説し,エピジェネティクス阻害剤の癌幹細胞標的治療薬としての可能性について論考する.

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Epigenetics in cancer stem cell
島田 周 田中 真二
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子腫瘍医学分野